家の外回りについて
外壁や屋根のデザイン、土地の水はけなど
2023.02.07
壁を壊さずに断熱材充填する施工に関する質問
質問者/東京都多摩地区・FHさん(会社員・38歳・男)
大手建築メーカーで施工された、築24年、軽量鉄骨2階建て(屋根:スレート葺、外壁:ALC)を中古で購入したものです。壁に断熱材が入っていないことが判明し、何とかする方法はないものかと調べたところ、壁を壊さずに断熱材を充填する施工があることを知りました。壁の一部に穴を開けて、グラスウール等の断熱材をブローイングしたり、発泡ウレタンを充填するもののようですが、質問が3点あります。
1.グラスウールやセルロースファイバーなどを充填する場合、次のようなことは起こらないのでしょうか?
・コンセント差込口周辺から断熱材がボロボロ出てくる
・時間が経つと吸湿等により自重で圧縮され、上部に隙間が発生する
2.発泡ウレタン充填の場合、次のような心配はないのでしょうか?
・発泡ウレタンの膨張力に石膏ボードが負け、内壁が割れる
・鉄骨を腐食させる
・ウレタン内部への吸湿
3.壁の一部だけを壊しての充填なので、壁を壊して断熱材を入れ直す方法と
比較すると、断熱材が行き渡らない可能性があると思いますが、それ以外の
デメリットはあるのでしょうか?
以上、素人質問ですがよろしくお願いいたします。
25年前の住宅でALC仕様の外壁には、断熱材が充填されていないものが多くありました。 むしろ、グラスウールを下手に入れるよりは、ALCそのものが、それなりに断熱効果があったからです。
ご質問の件ですが、当方は数千棟の断熱施工に関わってきたましたが、壁の一部に穴をあけての断熱材充填は、充分な断熱性能を期待できません。特にグラスウールやブローイングなどを均一に充填することは不可能です。まして、コンセントから吹き出るように壁内の隅々に断熱材が行き届くことはありません。
以前、液体のウレタン断熱材を注入する工法がありましたが、それでも均一断熱ができず、断熱効果にムラが出るため、現在知っている限りではほとんど施工されておりません。
断熱材は外に面する壁を綺麗に剥がし、目視で完全充填を行うべきです。断熱材のムラが起きれば、壁内の低温部分に内部結露を生じさせるリスクも高くなります。
また、壁だけでなく天井には壁の3倍くらいの厚さの断熱材が必要です。
いずれにしても温熱環境を改善するには、小手先での施工法でなく、しっかり腰を据えた施工を行うべきでしょう。