高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

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2023.02.22

ウレタン吹付けでの床下断熱

質問者/やか

既存住宅の床下断熱の施工で、ウレタン吹付けを検討しています。

床は、フローリングの下に28mmの合板が一面貼られています。
ここにウレタンの吹付けをするのですが、合板および土台の通気(木の呼吸という表現がCMであったかと思います)という面では、どうなのでしょうか?
ウレタン吹付けでは、完全に密閉されるように思えるのですが、ある程度の(木の呼吸に十分な)通気はされるものですか?

希望としては、スタイロフォームのはめ込みをしたい(これなら多少の隙間ができてちょうどいいとの考えです)のですが、難しい(コスト高)状態です。
(主な理由は、床下合板が一面にあって開口部が点検口のみのため、作業効率が悪いため。)

また、床上浸水をした復旧工事なので、当然十分に乾かしてからの施工にはなりますが、とは言え、吹付けで密閉されてしまうのはどうかという懸念もあります。

以上のような状況と素人考えをしていますが、アドバイスがあればよろしくお願いいたします。

構造的なロケーションを再認識すると、フローリングの下地材の構造用合板にウレタン発泡を行うと云う事は、かち上げ施工と云って、施工者が床下に潜って、下から上に向かって施工する事になります。
とても困難な施工環境であり、施工時の発泡ガスの処理が大切です。
作業が出来たとしての仮定で回答とします。

ウレタン発泡剤は、独立気泡と云ってセル膜といわれるガスを閉じ込めた気泡の率によって木材の呼吸を促すようになっています。
ただし、呼吸ばかり意識して気泡率を小さくすると密着強度が低下します。

ウレタン発泡剤は、発泡表面にスキン層と云う固い膜が形成され、水をはじく性能があります。
しかし、本件のように下から発泡した場合、生活空間からの水漏れなどがあり、上から水が浸透すると、剥離を起こす場合があります。
また長時間にわたり、水に浸ると「加水分解現象」と云って、組織体が破壊する場合もあります。
ウレタン断熱材には、様々な種類や価格帯があり、現場を良く熟知している人に施工を要請すべきです。

水に浸っても影響を受けないのがスチレンフォーム(スタイロフォームは商品名)です。本件の場合、状況を考慮するとスチレンフォーム断熱の方が向いていると思われます。

床下環境は常に乾燥状態を保持する事が必要ですが、ウレタンやスチレン断熱材でもその原則に変わりはありません。