高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2023.04.14

住宅の選択で悩んでいます

質問者/埼玉県川口市・トムさん(会社員・33歳・男)

 住宅購入を検討しており、概ね2社に絞れてきました。何れも輸入住宅メーカーであり、それぞれの特色があり非常に悩んでいます。
 1社は、外断熱工法で且つ発砲ウレタンを吹き付けて(この工法で特許を取得)気密・断熱には絶対的な自信と実績をもっています。当然、それに伴う換気システム(標準)にも機能的・効果的な方法を取り入れて、高気密・高断熱住宅としては、申し分のないものと判断されます。また、冷暖房設備については備え付けのエアコン(1階、2階に1台づつ)で十分補えると言っています。
 もう1社(大手ハウスメーカー)は、内断熱工法ですが、断熱材にグラスウール(100mm・16kg)を使用しており(換気システム標準)、こちらも高気密・高断熱とうたっています。こちらの担当者が言うには、確かに外断熱工法に比べると気密性で劣るところはあるものの、地域的(埼玉県)に寒冷地ではないため、十分気密性は確保されるとのことです。冷暖房については、24時間冷暖房システムの導入を勧めています(ランニングコストが全然安いとのこと)。
 私も、高気密・高断熱住宅へのこだわりがあり、ここまでですと、前者で建築すれば?ということになりますが、住宅そのものの雰囲気は後者の方が気に入っており、非常に悩んでいます。また、24時間冷暖房システムは本当に必要なのかどうか(将来的に考えてランニングコストが全然違うのか)? 
 どなたか、良きアドバイスを下さい。よろしくお願いします。
 外断熱方式は、構造体を内側に開放して、腐食菌の発生を予防したり、蓄熱容量が多くなるなどの効能はたくさんありますが、断熱材の痩せ、熱劣化などの問題も多く存在します。そのあたりの技術的な対応が充分に確立された工法を選択しなければなりません。気密性能の高い住宅では24時間換気は必須事項となります。
 グラスウールの内断熱方式は一般的な工法で、前記外断熱方式と対比すると、断熱・気密の性能が数段、劣るのが普通です。
 この七月に建築基準法が、一定以上の気密住宅には24時間換気システムを取り付けるよう改正になる予定です。しかし、隙間の多い住宅では、自然換気と言って、室内で生活する事によって室内圧力が上昇し、自然と換気が促される場合もあります。本来、24時間換気は、その住宅の気密性能によって、その仕様を個別に選択する事が一番、大切な事なのです。いずれにしても、断熱気密性能と換気の相関関係を充分に熟知した施工業者を選択すべきでしょう。
 温暖地の住宅だと言って温熱環境を軽視し、雰囲気や情緒性を優先して選択しますと、住んでからストレスの増幅する場合があります。充分に勉強して、悔いの残らない家づくりを行ってください。