新築後1年くらいが経過し、お客様よりクレームがあり、どう対処するべきかと悩んでおります。
その内容としては、壁・天井のクロスです。壁と天井の取り合いには、塩ビシート貼りの廻縁と使用して、廻縁と天井のクロス部分にはボンドコークを使っています。このボンドコークがちり切れを起こし、クレームがきています。このクレームに対して、お客様より「どうしてこうなったのか」と報告書を提出するように言われています。
その原因として、ボンドコーク事態の痩せなのか、構造材の痩せによるものなのか、また、それ以外の問題なのかがわかりません。報告書の作成に困っています。
また、もう一度ボンドコークを打ち直しても、ちり切れが再度起こる可能性はあると思います。お客様からは、同じことをしてもらっても困ると言われております。手直しをするにも、今まで使用していたもの以上のもので直してくれ、と言われています。
このクレームは、どう対処すべきなのか、アドバイスをください。
壁のクロスの下地材と天井の下地材は、その部材の構成によってそれぞれ収縮率が異なります。さらに、天井部分は軽い地震や小さな振動で水平に微動します。したがって、壁と天井の取り合いをクロスで行った場合、本件のような取り合いで施工した場合、かなりの高い確率で亀裂やクロスの捻れ現象を起こすことがあります。
本来、本件のような壁と天井の納まりは、亀裂を生じさせる確率が非常に高いので、台輪を取り付けない納まりの場合は、天井と壁の取り合いに10ミリくらいの見切り縁を取り付け、目地仕上げをするのが無難です。
本件の対処方法としては、ボンドコークの部分を3ミリ程度、丁寧に切り取り、再度、同じボンドコークで処理します。新築して1年くらいで、本件のような亀裂が生ずるのは通常でもよく発生します。
上記の処理によって再度、亀裂を生じさせる確率は極めて少なくなります。また、壁と天井の取り合い部分を現在のままで樹脂製や木材製の台輪(まわりぶち)で上から打ち込む方法もあります。