高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2012.12.12

断熱材(セルロースファイバー)の密度について

質問者/mitsu

掲題の件について,宜しくお願い致します.

昨年,住宅を建てる際に断熱材をセルロースファイバーにしました.
IBEC等のホームページを見ると,セルロースファイバーにはそれぞれ
25K,45K,55Kと密度の違いがあるようなのですが,全て区分Cで
熱伝導率λも同じと言うことは,密度の違いによる性能差はないのでしょうか?

日本セルローズファイバー工業会のホームページを見てみたところ,
壁の充填には45〜55kg/m3 ,天井の吹き込みには25kg/m3との
記載が見受けられました.

同ホームページに載っていた表(添付写真参照)をみても同様のようですが,
自宅の仕様書を確認したところ,天井,壁,床下全て25Kとなっています.

このような事もあるのでしょうか?
事前に説明を受けることはなかったのですが,断熱性能が劣っているのでは
ないかと心配になりました.

お忙しいところ大変恐縮ではございますが,ご回答宜しくお願い申し上げます.
断熱材の素材における密度を表す単位を「kg/㎡」になっているのは、その断熱材の㎡あたりの重さがkgであるかを表記しています。
グラスウールやセルローズファイバーなどの断熱材は、空気を静止させて断熱効果を発揮させます。
本件のセルローズファイバーは、熱伝導率が0.04になっていますが、0.02の空気を繊維の中に静止させているからです。

あたりの重さがあると言う事は、密度が濃いことで空気の動きを止める効果が高くなります。ただし、あまり高すぎると空気を閉じこむ空隙が少なくなるため一定のピークがあります。60kgくらいが限界だとする文献もあります。

IBECの断熱材区分は、面倒な計算を簡略化させるため、簡易的な断熱材をA区分から少しランクの高いBとなり、本件の質問のセルローズファイバーは高性能グラスウール並みのC区分となっています。
更に、樹脂断熱材などではD区分、E区分、最高がF区分まであります。

セルローズファイバーは紙を素材にした断熱材ですが、バインダーと言われる繋剤がメーカーごとに特徴を持たせてあります。
そのため、あえて密度を抑えることで断熱効果を持たせたものも存在します。
総体的な印象から判断すると本件のセルローズファイバー断熱材は、性能的な不安をもつことはないものと思慮されます。