工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2012.12.19
床下に敷く調湿剤について悩んでいます。
質問者/千葉県流山市・SYさん(会社員・60歳・男)
15年前にシロアリ駆除と同時に床下に換気扇3機と調湿剤(ゼオライト系?)を敷きました(床面積18坪)。昨年、換気扇の音が大きくなったので不安に感じ、換気扇は取り外しました。このたび、あらためてシロアリ駆除と除湿のため、ある業者(名の通った業者です)に見積もりを依頼して床下を調査してもらいました。その結果、今敷いている調湿剤の袋の下の地面が濡れており、かつ裸の調湿剤が盛ってあった柱も湿っているということでした(添付した3枚一緒の写真で上が調湿剤の袋を敷いた様子、中が調湿剤の袋の下の地面・濡れている様子、下が調湿剤が盛ってあった柱で濡れている様子)。
そのため今度はトマボライト系の調湿剤を敷き、敷き方は今敷いてある調湿剤を袋から出して地面に直接撒き、その上に新しい調湿剤を敷くというものです(あるいは今敷いてある調湿剤を撤去し、新しい調湿剤を地面に直接敷く)。業者の説明ではトマボライト系の調湿剤は袋に入れて置くものではなく、直接地面に撒くもので、効果は長いとのことです。ちなみに調湿剤の見積りは450kgで56万7000円です。
このホームページでの除湿の対応方法には、「床下に乾燥した砂を敷き込み、その上に防湿シート(ポリフィルム)で完全に覆ってさらに乾燥砂を敷き込み、換気を促す」と記載してありました。素人考えですが、床下に敷いた砂が万が一濡れてしまった場合に乾かないのではないでしょうか。また地面から湿気が上がってきたら、床下に敷いた砂は湿気を帯び、湿気が防湿シートに妨げられて濡れたままになってしまうのではないでしょうか。
業者の調査(写真)では、床下にかなりの湿気がありそうなので、湿気の対策として換気扇は2~3ヵ所設置する考えですが、防湿剤はどうするのか悩んでいます。悩みをまとめますと、
(1)砂と防湿シートで対応して防湿剤は使わないほうがいいのか(この場合は業者が施工してくれるか疑問ですが)。
(2)業者の言うように、今敷いている防湿剤を袋から出して地面に撒き、その上に新しい防湿剤を敷くのがいいのか。
(3)今敷いている防湿剤は、撤去して新しい防湿剤を地面に直に敷いたほうがいいのか。
ちなみに業者見積もりは、合計で100万円近いものです。
1、シロアリ消毒…………………………8万7000円
2、床下調湿剤…450kg…………56万7000円
3、床下換気扇4台、タイマー1台…25万2000円
4、防腐剤…………………………………7万5000円
どうするのがベストなのかご教示ください。
「床下に乾燥した砂を敷き込み、その上に防湿シート(ポリフィルム)で完全に覆ってさらに乾燥砂を敷き込み、換気を促す」との意義は、床下の地盤面の高さを、砂(砂は施工がしやすいから)を敷いて外部地盤面(GL)より高くします。それで、外部からの湿気が床下に回らないようにし、その上にポリフィルムを敷いて床下地盤面からの湿気を遮ることにあります。このような環境を整えなければ、どのような調湿剤を散布しても、効果を望むことはできません。というのも、ゼオライト、シリカゲル、炭、活性炭などの調湿剤は、湿気を吸い込んでしまうと、すぐに飽和状態となり、むしろその調湿剤が湿気を保持して床下の湿度を高くキープしてしまう場合があるからです。
業者の見積もりですが、言いなりに施工するとこのようになると思われます。しかし一番肝心なのが、床下の湿気を防ぐ対応がなされておりません。また、床下地盤面を高くする工事も含まれおりません。場合によっては、床下に湿気が回らなくするため、家の周りに側溝や暗渠を埋めるなどの根本的な配慮が必要になる場合があります。このような環境整備をしないままにどんな調湿剤を散布しても、すぐに飽和状態になって効果を期待できないでしょう。
調湿剤というのは、湿気が高くなった時に吸着し、乾燥時期に放出させる吸吐機能によって床下の湿度を一定化させます。つまり、乾燥時期に排出できる床下環境の構築が前提で成り立つ素材です。シロアリ処理や防腐処置の定期的なメンテナンスは必要ですが、上記のような環境を保持しておくと、そのサイクルが極めて長期間になることでしょう。
床下の環境保持は、換気扇業者の言い分、調湿剤業者の言い分など、それぞれの特徴を提案してきますが、いずれも、床下に湿気が回らない環境改善が前提で成り立つものです。