高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

構造・建材について

断熱性や防音性、構造の強さなど

2013.01.11

隣地の宅地造成で地盤沈下しない方法は?

質問者/千葉県柏市・KMさん(会社員・56歳・男)

 わが家は20~30年前に山林の一部を造成して、公道より4メートル高台に住宅が建っており、1階は車庫になっております。中古で買い昨年、傾いてきたため建て替えをしてまだ1年経っておりません。今度すぐ隣の山林が造成して住宅が建つようで、地盤調査をしておりました。大掛かりな造成になるようです。わが家の擁壁は奥行き5~6メーターまでしか入っておらず、公道から玄関あたりまでの階段のところは擁壁も無く、工事内容によっては今後、地盤沈下の可能性が十分考えられると思われます。地盤沈下を防ぐためにはどのような方法があるのかアドバイスをよろしくお願いします。
 業者は写真などを撮りますから大丈夫ですよ、と言っておりますが、家の反対側の隣のお宅の山林も10年ぐらい前に造成し、その折、境界線から1メートルも離して造成したのに1~2年して傾き、しかも振動で配管にひびが入っていたのに気づかず大変な思いをしておりました。造成した業者はすぐ転売していたので、どうにもなりませんでした。わが家と同じ建て方なので階段部分は擁壁は入っておりません。そのような事例もありますので、今回は先に地盤沈下しないような方法がないかお聞きしたいのです。やっとの思いで建て替えたのです。どうぞよろしくお願いいたします。
 敷地の地盤特性は、地耐力(真上からの加重応力)、地層平行度(形成して地層の厚さ平行)や土質(経年変化の起き得る土壌)などによって地盤改良が行われます。地耐力は敷地付近が大きく異なることが少ないのですが、地層平行度や土質などは大きく異なる場合があります。隣で問題がなくとも自分のところで異常が発生する場合もありえます。本件において写真で見る限り、不同沈下の現象は見当たりませんが、文書にあるように年代を経てから沈下する場合もあります。特に経年変化で起きる不同沈下は地層平行度が大きい場合が多いそうです。
 本件の斜地造成に、どのような土質や地盤の固め作業を行い、さらに雨水の水抜き構造などもしっかりしているかどうも重要な要素となります。本件における対策ですが、まず、しっかりした地盤調査(地耐力、地層平行、土壌確認など)を行うべきです。建築をした後でも地盤を補強するには調査が絶対条件です。10万円程度の調査費用で、調査の結果、全く大丈夫だという結論を見出すケースのほうが多いのです。
 調査の結果によりますが、周りに敷地の余裕があれば、杭の侵入打ち込みなどで斜地の地表が下側にずれないような補強などができます。敷地に余裕のない場合は、セメントミルクともいいますが、固まればガラス状になる液体を地中に注入する方法などがあります。
 平成12年以降は瑕疵担保責任という法律で、建物が傾くようなトラブルが生じた場合に、設計や施工に瑕疵(トラブルの要因)のあった場合、その瑕疵に対して10年間の責任を負うことが義務化されました。したがって本法律に基づき、施工業者さんにさまざまな確認をしておくことが肝心と思われます。