工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2024.07.29
基礎とパネルのずれ
質問者/東京都・Sさん(公務員・32歳・男)
パネル工法の住宅を建築中です。先日基礎工事(布基礎)が終わりまして、組み立て作業に入りました。1階部分の組み立てが終わったとき、玄関開口部を見てみますと、基礎のコンクリートとパネルが5cmずれていました。原因は、担当の建築士と打ち合わせて玄関ドアを5cm右にずらした時に、基礎の図面修正を忘れてしまったということです。よって、右は、パネルから基礎が5cm出っ張った状態。左は基礎が5cm足りなく、パネルが5cm出ている状態です。
ハウスメーカーは後述の対処方法で問題ないとの見解ですが、ご確認いただけませんでしょうか? また、このような、完全にハウスメーカー の初歩的ミスの場合、どのように対応したらよいのでしょうか。通常なら最初からやり直しなのでしょうか? それとも補償金を貰って示談でしょうか?
●ハウスメーカーから提案のあった対処方法
・左側について
パネルの端5cmほどに基礎がない状態ですので、パネルの下に基礎を継ぎ足します。継ぎ足しは土間コンクリートの上に実施され、はがれを防止するために基礎側に穴を開けてアンカーを施工するそうです。継ぎ足した部分には、荷重がかからないようになりますので、このような施工で問題ないとの見解です(玄関ドアの上の部分の荷重を支える部分は、継ぎ足した部分ではない部分にきます)。
・右側について
パネルから5cmほど基礎が出ている状態ですので、基礎を削ります。玄関土間の部分は、基礎の立ち上がり部分上部10cm程度が下部よりも厚さが薄くなっています。これは、パネルの厚さが基礎立ち上がりよりも薄いために、土間部分で基礎がはみ出してしまうことを防ぐためで、正常な状態です。この部分は、構造上の基礎ではないとのことで、削っても主筋等、重要な鉄筋とのかぶり厚さは確保できることから、問題ないとの見解です。
家づくりの過程においては、さまざまなミスや、意思の行き違いなどが発生するものです。そのようなことが無いに越したことはありませんが、人のやることにパーフェクトはありえません。問題は、「そのミスをどのようにして改善して建主さんの信頼を回復できるか」にあります。
本件においては、いずれも集中加重(構造体のかかる荷重で、地震や積雪などの短期荷重も含む)のかからない部位です。ハウスメーカーが示した改善策で問題は無いと思われます。これからもさまざまな事象が出て来ると思いますが、現場担当者と気持ちが通い合うような人間関係を保っておいたほうが賢明と思われます。
現場に携わる人々もミスをした場合、相当の責任を感じているはずです。誠心誠意に対応した場合は、さりげなく誉めてあげるなどの工夫も効果的です。
家づくりには何十万個の部材と、何百人もの人の関わり合いで出来上がります。造り手と建主さんが一緒に家づくりを楽しむ気持ちで施工を進行させるべきでしょう。幸せづくりができる家づくりを実践してください。