高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2024.08.02

新築1年で基礎の立ち上げに幅5ミリの亀裂が7ヵ所発生

質問者/熊本県菊池郡・KKさん(会社員・55歳・男)

 テレビで人気俳優が宣伝中の大手ハウスメーカーの新築です。引渡し1年点検で家の東、南、西の3方向の基礎の立ち上げに、内側に貫通する基礎の亀裂が7ヵ所見つかりました。
 その幅は2ヵ所で5ミリ、その他の亀裂も写真のように立ち上げの上から下まで通っております。メーカーに問い合わせましたところ「家の傾きは最大6ミリ、シュミットハンマーによるコンクリートの強度は満足しており問題は無い、ただ亀裂は早急に補修する必要があり」とのメーカーの依頼している検査会社から報告書が提出されました。建築時の基礎の地盤調査も機械を使い地下深くまで調査を実施し、「問題ない」との検査結果で着工しました。
 新築1年で家の3方向に貫通している亀裂だけでも7ヵ所、南側の基礎のモルタルの表面はクモの巣のように多数のひび割れが発生いたしております。
 メーカーはエポキシによる亀裂の修復を提言いたしましたが、亀裂とひび割れは基礎の3方向に渡っており、その大きさも異常に大きいので、カーボン繊維等を使った基礎の補強工事を行うよう要請いたしましたが、1年点検から2ヵ月経過した今日でも結論が出ておりません。建築中の基礎の立ち上げ時に砂利がコンクリートから分離していたのを覚えております。適切なアドバイスをよろしくお願いいたします。

 写真で見るかぎり、コンクリートの収縮クラックと異なり、補修の必要な構造クラックであると推察されます。
 クッラクの要因は本文だけで判断できませんが、放置しておける状況にありません。早急に然るべき対応措置を施すべきです。
 放置しておきますと雨水が浸入して鉄筋を酸化させ、腐食膨張に発展し、クラックが大きくなり、コンクリートにいっそう大きなダメージを与える恐れがあります。
 構造クラックは瑕疵担保責任の対象案件ですのでハウスメーカーの責任は免れません。
 現在はエポキシ系の補強でも、強度的に充分役割を果すものがあります。
 瑕疵担保責任を背負うハウスメーカーですから、そういう補修法でも問題は無いと思われます。

 気になるのは家の傾き6ミリですが、測定の誤差範囲なのかどうかの判断がつきません。
 地盤調査が万全だったということは、竣工後に傾いたと考え難いのですが、地耐力の調査だけだったとしたら気掛かりな部分のあります。
 地層平行度と言って地層が傾斜している場合や、経年変化の起きやすい地質の場合に家が傾く場合が稀にですがあります。
 さらに1年後に再度、傾きの測定が必要であり、傾斜が進んでいる場合は、然るべき対応が必要になる場合もあります。1年後の調査で現在の6ミリ程度で定着するならば以後の心配は無いと思います。