工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2024.09.19
モルタルのひび割れや湧き水の問題で悩んでいます
質問者/神奈川県横浜市・T.Oさん(会社員・33歳・男)
木造軸組工法2階建て、ひな壇の住宅地内の新築建売住宅を購入し丸1年になりますが、以下の不具合が発生しています。
1.モルタル外壁のひび割れについて
ソフトリシン吹きモルタル外壁のひび割れについてですが、入居前の内覧会時点からひび割れ数発見しており、時が経つにつれ、増加しています。入居から10ケ月後にひび割れを補修してもらいましたが、とても新築とは思えないほどの状態です。モルタル外壁はこんなものなのでしょうか?外壁工事を手抜きしたとしか思えません。全面補修を依頼したい気持ちでいっぱいです。
・外壁の施工は、ラストップ(10mm)を下地に、10mmの厚さでモルタルを一度塗りし、リシン吹付け(業者は、ラストップが下地になっているため、モルタルは一度塗りで問題ないと言っていました)
・ひび割れの幅は1mm~1.5mm程度で、深い箇所では下地のラストップに到達
・画像は補修後の状態で、補修作業は、ひび割れ箇所にコーキング剤を注入し、リシンを塗布。模様のように見えるところがひび割れ補修箇所です。
ちなみに幅1mm程度のひび割れでも、やはり補修したほうがいいのでしょうか?
2.湧き水について
プレキャストの駐車場入口と地盤との境界や、擁壁の水抜きパイプからいつも水が流れています。入居から梅雨時期直前までは未発生で、梅雨に突入してから現在までは途切れることなく、水が流れています。真夏に1ケ月ほど降雨がなかった時でも、いつも水が流れていました。これほどまでに水が湧き出てくるのをみると、地盤がゆるくなっているのではないか?、大地震発生時に液状化現象が発生するのではないか? など不安な日々をおくっています。見た目が悪いので業者に依頼し、水抜きパイプより導水管を接続し、それを駐車場入口の地面下に埋め、マスまで接続し、排水するように工事してもらいました。画像は、導水管を駐車場入口地面下に埋める前の状態です。ちなみに導水管を埋めたあとは、見かけ上、ほとんど地表面に水が出てくることはなくなり表立っては見えなくなりましたが、マスを見ると、やはり常に水が流れているのを確認できる状態です。ひな壇の地形のため、発生しうる問題なのでしょうか?
ヒビの入らないモルタルの仕上げ方法があります。小幅の捨て板を下地にして、ラスを力骨でU釘で固定し、一回目の下塗り、表面を荒らしておきます。厚さはラスを塗り込む際におのずとある程度の厚さとなります。乾燥してから中塗りを行い、柔らかいモルタルの上から細い網ラスを押さえ込みます。表面は凸凹状態で仕上がります。乾燥してから仕上げ塗りを行います。
この方法以外でヒビが入らないと言い切れる方法は、存在しないと思われます。本件のラストップ(商品名と思われる)はギザギザの付いたボード状のものと思われます。外壁として、防火構造や耐候性としての性能は、このラストップと言われるボードに、10ミリのモルタル塗りで確立しているものと思われます。しかし、一回塗り仕上げでヒビの入らないモルタルを構成するのは不可能といえます。モルタルは必ず、乾燥収縮がありますから、収縮を逃がすエキスパンションジョイント(目地)が必要です。
本件は、ひび割れ対策としてはいささかお粗末であるといえるでしょう。新築一年で情けない様相となっていますが、徹底してヒビを出し切ってからシーリングを行い、厚いリシンで仕上げる対処法があります。
水抜きパイプの件ですが、造成地では珍しくない現象です。パイプから水が出ている状態は、むしろ正常な状況と言えるでしょう。しかし、要因が水道管などが破損して恒常的に漏水している場合もあります。先ずは自宅や周辺の住居の水道管の漏水も検査すべきです。施工した配管業者に依頼すれば水道積算計器を確認するだけでお金はかからないと思います。
水道管でない場合ですが、敷地の様々な状況で地中の地下水や雨水の浸透水が一ヶ所に集中して、本件のような事象が出る場合があります。本件は水抜きパイプ以外にも、土間の継ぎ目から浸透しています。対策としては、最終排水管の出口がかなり低い所になっていそうなので、土間の部分に深さ50センチくらいのピット(45センチくらいの穴)を掘り、ピットのフロー水を排水管につなぐ方法があります。