高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2024.10.25

擁壁の継ぎ目から水漏れ

質問者/<奈良県奈良市・OSさん(主婦・35歳)>

添付した写真にもあるように、雨が降った翌日はガレージの継ぎ目からかなりの量の水がもれてくるうえ、雨がやんでからも手前の隣家の階段に面するガレージ継ぎ目からは常に一筋の水が漏れてくる状態です。また、擁壁自体の縦横の継ぎ目からもじわじわと水がもれています。雨水を流す穴からはほとんど流れずに、継ぎ目からもれていては擁壁の耐久性や、地震が起きたときの安全性が不安です。ちなみにこの土地は丘陵地を造成したところで、開発後10年ほど経ってから売り出されました。購入時から1年ほどたってこのありさまで、かなりショックを受けています。コンクリートの質が悪かったのか、工事が手抜きだったのかなど考えてしまいます。
 土地を購入したハウスメーカーに対して擁壁のどういった補修を求めればよいのでしょうか。アドバイス願います。
写真にはコンクリート擁壁に亀裂のようなものが見当たらないように思います。擁壁造成の際に、擁壁に取り付けた水抜きパイプを取り付けますが、その取り付けパイプに浸透水が向いていないのが要因と思われます。水抜きパイプの位置には、砕石を埋設してからその上に盛り土を行いますが、埋設した砕石の隙間を通じて水抜きパイプより排水されるようになっております。
 本件の場合、浸透水が流れ着くところが、ガレージとなりの階段付近に集中したように見受けられます。ガレージ右の水抜きパイプが低いところに在るも関わらず、まったく役目を果たしておりませんが、内部が砂利でなく浸透性のない土が埋まっているものと思われます。
 浸透水が抜けなければ、擁壁の上部の土が乾燥せずにドロドロ状態を維持する場合があります。このような状況を放置しますと擁壁の土圧が高くなるなどのストレスが溜まり、擁壁破壊などを引き起こす場合もあります。
 予兆としては、上部の土の乾燥度合い、擁壁コンクリートの亀裂や膨らみなどで判断できます。このようになっていない場合、強度的に致命的な状況にないと思われます。しかし、やはり水抜きパイプからスムーズに水が流れていることが望ましいことは言うまでもありません。
 対策としては擁壁コンクリートに亀裂や膨らみがないのであれば、上部の土を掘り起こして、水抜きパイプの高さに砕石を敷き込み埋め戻します。その際、水抜きパイプを増やすことをおすすめします。工事の状況から、工事費用を業者負担にさせるのはかなり困難かと思われます。ある程度の費用負担も必要と思われます。