高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2013.09.02

壁のクラックと外壁と屋根の熱気について

質問者/大分県日田市・OTさん(自営業・60歳・男)

 築後3年で、クレームと言えるのかどうかわかりませんが、下記について悩んでいますので、ご教示頂ければ幸甚です。

1)設計・施工とも地元の工務店です。
2)100%地場産材を条件に発注しました。

問題点-1
1.木材の収縮のためか、外壁サイディングの目地シール部分にクラックが多数発生して、雨水が入る可能性がある。
2.同じ理由で内壁(壁紙)にも多数のクラックが発生している。
 この補修は自費で行うべきか。

問題点-2
1.外壁は硬質サイディングで、通気工法が採用されている。
2.構造は総2階建てで、屋根は寄せ棟である。
 以上の構造から、夏場は外壁と屋根の熱気が2階の小屋裏に集中して、エアコンがほとんど効かない。

 いずれも設計書を承認の上施工したわけだから、クレームというのもおかしいとは思うが、住んでみて始めてその設計の不備に気づくという愚かさを恥じてはいるが…。併せてご教示を…。

 昨今の構造材は殆どが乾燥木材を使用います。仮に多少、木材の乾燥収縮があったとしても、外壁のコーキングが切れるような事はあまり考えられません。また、サイディングの内側に通気層がありますので、この通気層は侵入した雨水を除去する効果もあり、室内にまで侵入する場合は少ないと思われます。要因は、おそらく、紫外線劣化によるものか、三点接着と言って、コーキングの下にバックアップ材を使用しない場合、外壁材の乾燥収縮でコーキングが切れる場合があります。
 平成12年4月以降に竣工したものについては、住宅品質確保促進法で、外壁からの雨漏りには瑕疵担保責任が施工者に課せられています。この法的な責任を施工者に負わせるには、竣工三年目、微妙な時期のように思われます。しかし、仮に法的な責任を課す事の時期に竣工したとしても、竣工引渡し時の瑕疵責任ですので、その後、素材劣化などによるものは、対象にならない場合があります。通常では、三年目でコーキングが本件のように亀裂が入った場合、殆どが施工者の誠意で無料で補修工事を行ってくれるものです。
 また、室内側の内装材の亀裂も木材と内装材の乾燥収縮度合いが異なるので、一般的にもある程度の亀裂は生ずるもであり、施工者の多くは、無料で補修してくれるのが普通です。施工工務店に感情的ならなように事情をよく説明して、出来るだけ無料で補修していただくように依頼して見てください。
 九州のような温暖地では断熱材が薄いので、夏場の天井裏の温度が70度くらいまで上昇する場合があります。小屋裏の自然換気量を多くするようにして、天井裏のグラスウールを出来るだけ厚く敷きこむ様にすべきでしょう。200ミリから300ミリと北海道なみの厚さにすべきです。冷房効率があがり、冷房費用が半分以下に低減します。断熱材の暑さはおそらく、九州地域の基準で施工していると思われるので、グラスウールの敷き込み費用は、ある程度、質問者が負担する事になるでしょう。しかし、グラスウールの敷き込みは費用も余りかからないので、是非、行うべきと思います。