工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
2013.09.13
全館空調システムなのに夏暑くて耐えられません
質問者/神奈川県横浜市・N.Nさん
5年前に2x6で輸入住宅を建てました。気密構造のため、換気する必要があるとのことで、某電気メーカーの全館空調システムを入れました。全館空調システムの施工については、ハウスメーカーの設計者と電気メーカー側が計算をし、施工しました。当然、全館空調システムの価格200万円はハウスメーカーが責任を持つということで、建設費の一部に組み込まれています。
入居後初めての夏、いくら温度設定を低くしても、暑く、特に昼になると2階の部屋は22度設定にもかかわらず、30度近くにもなり、扇風機を回してしのいでいました。こういう状態にもかかわらず、電気代は1ヵ月4万円近くもかかります。今年の夏はあまりにも暑いので、電気メーカーのホームページのアドレスにメールで苦情を送りました。電気メーカー側は誠意を持って対応してくれているのですが、この全館空調システムは、気密度が2以下でかつLow-eガラス必須とのスペックになっていることがわかりました。電気メーカー側が気密度を測定してくれ、3.3であることがわかりました。そういえば、高気密仕様のため、かなり追加でお金を払ったにもかかわらず、建築完了後、ハウスメーカーは気密度を測ったこともありませんし、私がヒートミラーを入れて欲しいと依頼したにもかかわらず、色が付いているからよしたほうがいいとかで、M社の複層ガラスを強引に入れました。電気メーカーの全館空調システムを入れるための必要条件を満たしていない設計をし、施工したハウスメーカに対して、気密度2以下への改修工事、Low-eガラスへの無償交換は要求できるのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
換気量が確保されたエアコン空調ですが、その容量は、あくまでも家の性能が裏づけされていなければなりません。
本件は気密性能が3.3cm2/m2ということですが、一定の基準である5.5を切っていることから、気密住宅といっているのだと思います。しかし、実際に空調システムを数値どおりに稼動させるのに必要な気密性能は1.5を切るくらいのものが求められます。
昨今、次世代省エネ基準が制定されて、夏場の快適さの性能を求められるようになりました。しかし、5年前の竣工物件に無償改修や無償交換を求めるには、大変な困難があるものと思われます。5年前の多くのハウスメーカーは温熱環境の詳しい技術経験が乏しく、手探り状態であったと思われます。詳細な契約約定にもよりますが、一般的に言って、本件はあくまでもハウスメーカーの責任案件です。空調メーカーはハウスメーカーの下請け的な存在であり、ノウハウはあっても主導権を持てないのが現況です。ハウスメーカーと感情的にならず、根気よく交渉すべきでしょう。