高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2013.11.27

基礎と換気口について

質問者/j.takahashiさん

 基礎を行うとき、古い図面が基礎業者に渡されていたと言うことで換気口の穴の数が新しい図面より少なくなっていました。その対応が「やり直させる」ということでしたが、こちらとしては「換気口の少ない図面でも換気口の数は十分だ」と、その業者委託の設計士が前に言っていたので鉄筋が切れることを心配していました。しかし工事管理者は「きちんと言っていたのにこんなことをしているのは許さないので、絶対なおさせる」と言っていました。
 ところが結局は鉄筋が切れるので基礎の強度に問題がでてくるということでそのままにさせてほしいと言うことでした。長々と書きましたが、こういったことが初めにあったので「大丈夫なのか?」という目ですべてを見てしまいました。もう随分時間はたっているのですが、教えてください。管理者はすべて問題ないと言っていますが…(*言葉がよく分からないのでおかしな表現があると思いますが。)
 
(アンカーボルトについて)
1.数ヶ所で基礎立ち上がりの中心にきていない
2.いくつか斜めになっている。
  (上と下で1.5センチくらいのずれ)
3.土台(木のところ)の側面の所からはみ出していて、
  横に横にやり直している。
4.埋め込みすぎて高さが低くて土台の木を2㎝くらい削っている。
(ホールダウン金物について)
5.柱が立ってから金物を埋め込む。基礎をするときに
  埋め込まなくていいのか。
6.柱に直接固定せず、柱と金物の間に木を入れて固定している。(2階建てです。)
(基礎について)7.基礎立ち上がりを後で継ぎ足している。
  土台、柱が出来てから立ち上がりがないことに気が
  つき、たしている所もあった。
8.基礎立ち上がりのないところで土台の木を継ぎ足している。
9.防水シートが立ち上がりまできちっとひっついていない。
  玄関のところだけ気が付きました。
 質問のすべて一部(全体の一割、それ以下)に事実があった程度です。特に雨漏りや大きなトラブルは起きていません。ごくたまに「ぴしっ」という音がしたくらいです。
よろしくお願いします。
 床下換気口は、建物の耐久性に大さく関わる重要な部所のひとつです。昔の家は、大きな石を並べて墓礎代りに使用しました。石の間を風が通りすぎて土台や床下の木材を、腐食菌の被害から守ったため100年以上もの高寿命の建物が殆どでした。現在の住宅寿命の短さは、床下の通気性の悪さが起因している事も事実です。墓礎に取り付ける床下換気口は建築墓準法にも規定があり、特別な仕様以外の住宅には、一定以上の大きさのものを一定以上の数を取り付けなければならない事になっております。質問の内容だけで詳細を把握出来ませんが、数が足りないような感じが致します。 既存の基礎に換気口の穴を開ける場合、基礎の鉄筋は、上からの荷重をコンクリートの弱点である引っ張り力をカバーするためのもので、基礎の下部に配筋された鉄筋が大きな役割を果たしています。したがって上部の鉄筋を多少切断しても強度を著しく低下させる事はありません。3m以内に30cm2以上の換気口は取り付けておく必要があります。
 1・アンカーボールの数本が基礎の中心になくても問題はありません。
 2・少しくらい斜めになっていても支障はありません。
 3・多少のはみ出しが、大きな問題に波及する事はないと思います。
 4・2センチ程度では問題ありません。
 5・アンカーボールト以外は、土台や柱が建った後に取り付けるのが普通ですが、「埋め込む」といわれる意味が良く分かりません。
 6・柱に直接固定しなければなりません。
 7・土台と墓礎の隙間を埋める程度では問題ありません。また、コンクリートを打ち継ぎする場合も、しかるべき処置をしていれば問題ありません。
 8・束柱といって、必要に応じて使用する場合があります。
 9・防水シートとは床下の地盤面を覆うためのものと思われますが、床下の通気性が確保されていれば問題はないと思います。
 建物を構成する部材をスポット的に検証しますと、上記のような回答となってしまいます。しかし、全体的には良心的な施工か施されていると感じます。施工工務店に問題点だけを指摘するのではなく、気持ちよくメンテナンスを受けられる環境作りこそ施主とって賢い手法と思います。「びしっ」という音は、柱や梁か乾燥によって収縮し、縦ひびか入るときに発生する音と思われます。新築時に発生するもので気にする必要はありません。