設備や内装一般
暖房や電気湯水器、トイレの配管など
2014.01.08
暖房方法の選択について迷っています
質問者/東京都港区・STさん(会社員・41歳・男)
東京で新築を検討中ですが、暖房方法について迷っています。暖房方法について、床暖房が良いか、温風暖房が良いかなどを決めかねています。ガス給湯器を利用した床暖房も良さそうなのですが、床暖房は良くないという話もあって迷っています。また、深夜電力利用の電気温水器を活用した温風暖房があると聞いたのですが、製品が見つかりません。
1)熱源:ガスor 深夜電力
2)方法:床暖房 or 温風暖房
気密、断熱には留意して建てる計画です。アドバイスをお願いします。
暖房方法は、家の性能に合った方法を考えなければなりません。気密と断熱に留意されるとありますが、Q値(熱損失係数)が東京地域で2.0W/m2K以下(数値が小さい方が良い)の高性能住宅に床暖房を行いますと、むしろ不快感の方が大きくなります。床暖房は輻射熱暖房といって熱波長で暖房するため、身体に良いとされますが、足の裏を直接暖めるため、高性能では不快となるわけです。床暖房は気密断熱の劣る住宅で効果が出ます。ガスや石油のように燃料を燃焼させて熱を取り出す機器も、住宅の性能で効率が大きく異なってきます。上記のような高性能住宅では暖房運転を常に微小燃焼させることになりますので、燃焼効率がことごとく悪化します。この場合、やはりエアコンの方が経済的ですが、性能が伴わない住宅にはガス燃焼機器が向いてきます。
エアコンが一般的な温風暖房です。その他に温水を使ったファンコイルユニットやFFストーブも温風暖房の部類です。温風式暖房は対流暖房ともいって、空気を暖めて身体に熱を伝達する方法です。これも家の性能が向上しますと床や壁が熱を一旦吸収して輻射熱で居住空間に戻すため、快適性のバロメーターである輻射熱量が大きくなリます。深夜電力活用の温水式暖房システムも既に開発されていますが、市販ベースの供給では価格面、性能面で一般的になっておりません。
暖房は冷房と大きく関わってまいります。例えば、採光窓は、できるだけ南面にしなければなりません。敷地の関係で東西の窓が多くなる場合は、日射熱を遮蔽するガラスが市販されています。この場合、多少、暖房の負荷が増えることになります。南面の開口部は夏の暑いとき太陽高度が高くなるため、小さな庇で日射熱を遮蔽できます。夏場の快適性と冷房負荷に大きく影響を及ぼします。エアコン暖房での冬の電気暖房費に不安がある場合は、玄関やホールに深夜電力を利用した蓄熱暖房器を設置しますと、冬の暖房費が大きく低減します。この場合、給湯も深夜電力の電気温水器とクッキングヒーターを採用して、時間帯別料金制度を採用すれば、さらに料金面で得になります。いずれも、住宅の性能が上記の性能を満たしていることが前提です。しかし、高気密、高断熱は、家の寿命を短くするなどの問題もありますので、その方法を充分に吟味することが必要です。