高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

その他の問題

虫や騒音、振動など、その他の問題

2015.09.25

地盤改良の必要性について

質問者/Cozy

新設のRC駐車場付の土地(25坪)を購入し、契約した工務店と木造在来工法での新築準備を進めております。工務店を通し、地盤調査を行ったところ、表面波探査専門業者から7mの鋼管杭での地盤改良が必要とのアドバイスがありました。
工務店が再確認したところ、セメントミルク注入による表層改良工事でも大丈夫との見解に変わりました。

土地は道路面にRC駐車場と外階段があり、階段を上がった奥側は土のまま、
手前(道路)側は駐車場の天井部分のコンクリートスラブで、駐車場と土の
境目付近は駐車場建設時に一度掘られているため盛土になっています。


調査結果では、「表層部から深度0.8m付近まで地耐力20kN/?を満たしていない地盤が見受けられる。それ以遠の地盤は、地耐力30KN/?を満たした地盤が続いていると思われる。」また、「表層部付近の地耐力にややバラツキが見られ、
バランスの悪い地盤となっている。」との報告がありました。

調査会社担当者に直接伺ったところ、バランスが悪い理由は沈下量の合計が
1か所のみ他の4か所の半分以下の数値が出ているため、予想最大傾き(rad)が2.0/1000と通常より高く出ており、不同沈下の懸念があるかもしれないとの事でした。

調査地情報としては、微地形区分:台地・南方向800m付近に河川あり。
洪積層:洪積層 ローム

区役所の同地点のボーリング柱状図では深度5.4m?は粘土質の中位?堅い
となっていました。


また、駐車場建設時のスエーデン式サウンディング方式の調査報告書と、
同じ調査方法で工務店が追加調査を行った報告書もありますが、見方がよくわかりません。(車庫部分の支持地盤は設計地耐力50kN/?とあります。)



当初の鋼管杭から何の説明もなくすぐに表面改良に変わったため不安になり、
構造設計の建築士と設計事務所経営の建築士お二人に報告書を見ていただいたところ、「GL?1mで31?113kN/?の地耐力が出ているのであれば、
特に地盤改良をしなくてもベタ基礎で大丈夫だろう。」との事でした。


構造の専門の方からは、そもそも駐車場部分が基礎になるならば、奥を鋼管杭に
すると基礎が混構造となるのでよほどの事情がない限り行わないものだ。
駐車場の壁(擁壁)に接する盛土部分に地耐力は全くないため、
駐車場部分のスラブと盛土より奥の基礎をつなぎベタ基礎にしておけば
地盤改良しなくてもよいと伺いました。

もうお1人の建築家のアドバイスも、盛土部分の幅1250?と奥に予定している半地下のベタ基礎(GL-965?)とをつなぎ、砂利転圧しておけば10万円程でできるのではないかとのお話です。

一方、工務店からの地盤改良費用見積りは103万円で、内訳としては
注入工事70万円・周囲の砕石工事30万円との事。
(平面積26?・対象土量39?・注入量3,120?)
(改良深度GL?0.3mからGL-3.0m 平均改良長 1.5m・改良率8%)

工事費用については、地盤調査前にセメントミルクで70万円ほどと担当営業マンから聞いていたことを伝えたところ、[高すぎるので施工業者に負けさせましょう。」と営業部長より前回の打ち合わせで言われております。

明日の打ち合わせで、地盤改良についての決断を迫られそうですが、
素人のにわか勉強のため判断がつきません。
このようなケースで地盤改良は必要でしょうか?
押さえておくべきポイントやチェックポイント等ありましたら、ご教授お願いいたします。

敷地地盤は、地盤の軟弱性、地層平行率、地下土質、地下水面位などを加味して地盤補強の有無や地盤補強の仕方を精査致します。
出来た家に傾くなどの事象が発生した場合、最終的に建築した建造物に責任を負うべき対象者は、建築施工者であるのが普通です。

そのため、施工業者が地盤調査の査定仕様書に基づいた地盤補強を行った場合は、地盤保証会社が、5000万円(保証業者によって異なるが)の地盤保証を付与するのが通常化しています。
地盤に問題がありそうな場合は、この保証を担保するため表面探査法式やスエーデン式サウンディング方式など、あらゆる調査手法を施行します。
試験方法はそれぞれが得意分野が異なるため、総合的な情報に基づいて地盤調査方法を決定致します。

お医者さんがレントゲンや聴診器などで診断して治療法を確定するように、地盤診断の専門家が高額となる地盤保証に足りる地盤補強方法の仕様書を作成するのが通常です。
地盤調査結果のデータは、素人が見ても殆ど判断出来ませんが場合によって、全く地盤補強を行ずとも地盤保証(地盤調査と地盤保証が一緒になっている場合が多い)を行う案件も少なくありません。

本件では、不動沈下などの事象が発生した場合の、地盤保証を確実に担保できる手法を採用するよう、強く施工業者に促すことが先決であると思われます。