高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

工事ミス・トラブル

床下浸水やアルミサッシの歪みなど

2016.03.01

家の不等沈下について

質問者/hiroshi

2年前に、自宅の2階の一部に歪みが出ていたので設計事務所に耐震診断を実施していただきました。
耐震診断の過程で、1階と2階の中間に入っている梁に問題があると思われたので、梁と床を改築しました(この時、手抜き工事のことが次々と明らかになった、図面とうりに基礎や梁むが入っていない等、、施工業者・設計者は廃業・所在不明)。
この改築工事をしている際に、施工者の方より、家が少し東西・南北で一方向に向かって少し傾斜しているとの指摘を受けました。
思いあたることがなかったが、床暖房をした際に床下の結露が甚だしかったので、下水道管からの水漏れが家の基礎を歪ませたのではないかと思い、
今年、下水道管の一部を入れ替えしました。
下水道管の入れ替え作業中に、自宅の基礎付近を掘削しましたが、下水管からの漏水が家の傾斜の原因とは考えられませんでした。
その時、建築屋さん曰く、家が四角形ではないために力が歪に加わるようになっているようなのでそれが原因ではないかと言われた。
家の改築費で既に800万程かけています。
これから、家の傾斜を直すとなると数百万かかってしまうようで、老後の生活設計も立てることが出来ません。
母はこの家で亡くなり、子供たちもこの家から巣立っていきました。
いろいろな思い出が詰まっている家なので、出来ることなら最後まで住み続たいと思います。
そこで、分かる事があれば教えて頂きたくよろしくご教示お願いします。
( 宅地開発者の責任 )
1. 建物本体に手抜き工事があったとしても、地盤が不同沈下を起こす事と建物本体とは関係がないはずではないか?、、、開発デベロッパーには責任は無いのでしょうか?
地震等自然災害が原因であれば、まだ、納得出来るのですが、、、。
2. 責任があったと仮定しても、宅地を購入してから20年以上経過しているので時効になってしまっているのでしょうか?
(不同沈下をこれ以上進めないようにするために)
これ以上不同沈下が進まなければ、今の状況でも何とか我慢できる範囲なので、これ以上の不同沈下を防止するための対策と予算。
(不同沈下を直す方法)
今の状況で不同沈下を直す方法と予算。
( 家の現状 )
原因がわからない状態で2年が経過しましたが、傾斜が進行している気がしたので計測してみることにした。
現在の家の基礎部分の傾斜は東西間口10mで50mm南北奥行き7mで60mmで、一方向に傾斜しています。
宅地を購入後に、知人の知り合いに頼んで建築したのですが、今回の改築工事の際にいろいろな箇所に手抜き工事を指摘されていました。
外壁に通気層を設けていないために結露して外壁を全部やり直しをした、修繕費240万。
基礎が設計通に施工されていない事や、建物の梁が設計通に入っていない等、手抜き工事のオンパレードでそのための修繕費500万
当時の建設業者、設計事務所とも今はありません。
( 宅地の現状 )
平成2年宅地を購入  土地は平地の泥炭層だったが、大手デベロッパーがプレロード工法(火山灰を7m程盛っていて、水抜きを行っていた)で地盤改良がされていた。
大きな団地(約2000宅地)の中で、建物が傾いたと言うような話は聞いたことがありません。
平成元年当時の新築家で、杭を打って立てている家は見た記憶がありません。
開発当時は、杭を打って家を建てるようなら土地を売らないといっていたほど、地盤改良には自信を持っていたようです。
また、当時近所で家を建築していた業者の方が、地盤が固くて固くてとぼやいていた事を記憶しています。
不同沈下か否かの精査は、年数を掛けての傾き進行を調べる必要があります。
地盤が硬くとも地層平衡が均一でない場合は不同沈下することもあります。
土地販売の開発デベロッパーは、敷地要件に沿った価格設定を行っており、時効などの年数に関係なく責任を求めることは困難だと思われます。

不同沈下も軟弱地盤や地層平衡、あるいは地質特性なのかで沈下防止対策が異なります。地盤調査の専門家に調査依頼を求めるべきです。
費用はその要件によって異なって参ります。

軟弱地盤の場合は建物周辺に摩擦杭を打つ、あるいはセメントミルクを注入するなどの対策があります。かなりの費用(100万円以上)が掛かります。
地層平衡や地質特性の場合はその多くが一定期間で固定致します。

現況のままで沈下が進行しない場合は、基礎と土台に専用ライナー(クサビ)を打ち込んで修正する方法があり、この場合の費用は極めて安価です。
本件の東西間口10mで50mm。南北奥行き7mで60mmは決して小さな傾きではありません。上記のような然るべき対策を行うできでしょう。

とかく第三者が調査すると建築施工の難点が目に付くものです。
図面通りに施工されていないことは不安ですが、大梁の変わりに柱を増やすなどの方法も存在します。
また当時の建築環境や建築費の兼ね合いなども考慮する必要があります。

第三者の設計事務所さんと相談しながら、地盤調査(SS方式と超音波探査方式の組み合わせ調査)を行ってから対処すべきです。
ともあれ、想い出の多い我が家を丁寧に手入れとメンテナンスを行うことで、家は100年以上も住み続けることが可能です。