高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

NPO住宅110番・相談回答集

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2020.10.23

Q値

質問者/さまー

初めて質問させていただきます。
名古屋で建設予定です。

ただいま社長一人で、設計、現場監督、営業をかねている工務店さんで
契約中です。
色々と知識がある方なので、相談に乗って頂きながら間取りや
仕様を決めているところです。

 無垢床で、できれば夏涼しめ冬暖かめ…
 Q値が高め(1から2くらい)を希望していましたが、
「国交省…建築環境・省エネルギ-機構が公表する換算基準で計算すると、1と言うのはあり得ない」と
社長に言われてしまいました。ゼロワン住宅などの話をしても
先方にわかるように話はできませんでした。

現在Q値が2.4くらいで
   木造外断熱(2階建て約40坪)、屋根と壁に斜熱シート使用
   基礎内断熱、
   押出ポリスチレンフォーム使用
   (例屋根は30mm壁は40mm+ダイライト)
   換気は第1種換気
   窓はペアガラスでアルミと樹脂の複合サッシですが、
以前Q値をあげたいと伝えると1.9が限界で値段も80から100万高くなる
とのことでした。

こちらのHPを見ていると、もっとQ値があげれそうな気がするのですが
それは、名古屋ではオーバースペックなのでしょうか?
またQ値を0.5下げるには一般的にどれくらい予算が必要でしょうか?

曖昧で申し訳ないですが、わかる範囲でもお答えをいただけると
ありがたいです。
高気密、高断熱と云う括りがありますが、愛知県のような温暖地では、そうような細工を施せば施すほど、そのための対策も行わなければなりません。

Q値と云うのは、床、壁、天井に使用する断熱材の「厚さ」とその「熱伝導率」でその熱損失量を計算します。
窓や玄関などの開口部の熱貫流率を合計して算出します。
それに換気や隙間(隙間相当面積係数)から熱損失を算出します。
つまり、家全体の「総熱損失量」を合計し、それを延べ床面積で割った数値が「Q値」です。

したがって、断熱性能だけ、気密性能だけ割り出せるものではありません。
C値と言われる隙間相当面係数数が悪ければQ値も悪くなります。
特に湿気の多い愛知県などでは、湿度対策なども重要な要素です。
また、どんな地域においても過剰断熱と云う事は在り得ません。
しっかりした家づくりを行うと、例えば40坪の家全体を、シーズン冷暖房しての冷暖房費用は、8万円前後の家を建てる事ができます。

この同じ性能を家を北海道に建築すると、暖房費が6万5千円、冷房費が1万5千円。南東北辺りが冷暖房費用が均等となり、4万円、4万円。
東京では冷房費が5万円、暖房費が3万円ほどになり、九州宮崎では、暖房費が1万5千円、冷房費が6万5千円と北海道の逆になります。
したがって、オーバースペックなどと云うことは在り得ないと云う事になります。

数値だけが独り歩きしているのですが、家の断熱性能などは、竣工してお金を支払い、建主さんが住み始めてから一生涯、その性能、つまり寒い、暑い、冷暖房費用が付きまといます。

質問者がこの「Q値」つまり家の性能に拘るのはとても賢明なことと思われます。
是非、色々な工法やビルダー情報を調査して、悔いの残らない家づくりを遂行してください。