工事ミス・トラブル
床下浸水やアルミサッシの歪みなど
以前より複数箇所に雨漏りらしき水染みがあり、今回、原因の一つと考えられる笠木と壁の取り合い部分を調べていただきました。結果、雨水が浸入しやすい状態とのことで、壁側の笠木板金の端に、折り曲げた板金を取り付けていただきました。
板金については、それで良いかと思うのですが、透湿防水シートの施工について、以前より工務店に説明いただいていた内容と違う施工になっていることがわかりました。写真は、笠木と壁の取り合い部分と、その内側の水染み(小屋裏・ポーチ天井)です。以前の工務店の話では、外壁の構造は、室内側から見て、透湿防水シート→断熱材(カネライトフォーム)→透湿防水シート→胴縁(通気層)→下地用サイディング→外壁仕上げ材、とのことでした。なぜ断熱材の内側にも透湿防水シートが施工されているのか尋ねると、当時の担当者がもういないのでよくわからないが、恐らく工事中の雨から木材を守るため、とのことでした。しかし、今回の調査で壁を取り除いた箇所を見てみると、断熱材の外側には透湿防水シートが施工されていないようです。そのことを工務店に伝えると、「断熱材のメーカーに確認したが、透湿防水シートは外断熱の場合も断熱材の内側に施工するのは共通」と、よくわからない返答しかなく、都合よく話を変えている、という印象です。断熱材の継ぎ目に防水テープが隙間なく貼られていればまだ良いのですが、見たところ、そうではなさそうです。
断熱材の外側に透湿防水シートがないと、通気層の中に水が浸入した場合、断熱材の継ぎ目等の隙間から、水切り板金の内側に水が入り、逃げ場がなくなり、雨漏りや水染みの原因になるのではないか、と懸念しています。
この施工で問題ないかどうか、調査が必要かどうか等、アドバイスいただけますと幸いです。
カネライトフォームは商品名ですが、いわゆるスタイロフォームと同種の樹脂のスチレンボードです。
内側に貼るのはグラスウールへの湿気防止や気密を高めるために気密シートとしてポリフィルムを用います。
気密シートとしては、透湿シートより安価で気密性能の高いポリフィルムを内側に貼るのが基本なのです。
内側に透湿シートを貼っても湿気は浸透します。
本件のカネライトフォームの場合は、断熱材が湿気を吸いませんので気密対処だけが目的となります。
それは外側からの防水テープで気密性能を保つ場合もあります。
写真は見ますと一部にはウレタン発泡樹脂も使用されているようです。
外側通気層は、断熱材への完全防水が必須ですがスチレンボードなのでそんなに神経質になる必要もなさそうです。
外壁材から雨水漏水は、外部通気層の下部から排出できる構造である事が前提で対処する事です。