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寒い家で暖かく過すための方法
住宅業界最新情報
2009.03.10
寒い家で暖かく過すための方法
ファースの家のように、新築時から断熱と気密性能が確立し、必要最小限の換気量を確保しながらも室内空気を常に清潔に保持出来ている住宅ばかりとは限りません。
一般の住宅にお住まいの方々が省エネでしかも出来るだけ暖かく過ごすには、いくつかの要件を満たす必要があります。
家を暖かくするには、家屋内の気温と湿度を保持しますが、適切な気温を保持する場合、当然ながら外部との気温差に相当する熱量を補填しますが、これを暖房と言っているのです。
【床と天井の温度差を解消するには】
暖房した空気は、膨張して軽くなり、家屋内の上部に上昇するだけでなく、小さな隙間から外部の乾燥した冷たい空気と入れ替わります。そのため、冷たい空気と人の居る床付近に停滞する事になります。
場合によっては、その床付近の気温と人の天井付近の気温差が10℃を超えるいる場合があります。
対策としては、室内の思い当たる小さな隙間(サッシの合わせ目や内装材の隙間)を徹底的に埋め込む作業を優先すべきでしょう。
特に開口部(サッシなど)の合わせ目にホームセンターなどから、スポンジなど購入して隙間を埋めると効果的です。
開口部(窓)にカーテンを用いて断熱する方法もありますが、この場合、窓ガラスの結露を助長する事を考慮する必要があります。
また冬季間は、床下換気口を断熱材(スチレンフォームなど)で塞いで床下の通気を止める事で相当に暖かく過す事が出来ます。
但しこの場合、春先には必ず取り外す事が肝心ですが、放置すると床下が腐蝕る可能性があるからです。
【エアコン暖房の仕組み】
エアコン暖房は、室内の気温を10℃上昇させる暖房機です。
つまり、室内気温が5℃の場合、エアコンから出る気温が15℃となります。
室内気温を出来るだけ早く、吐き出し気温の15℃にするは、家屋内の隙間を少なくする事が重要な要素となります。
春過ぎには、夏場を涼しく過すための知恵と工夫を記述します。
【北海道の温湿度がセオリーどおり】
この時期の気温は、北海道26度前後、本州は何処も33度以上となっています。北海道が過ごし易いのは、気温が低いのと、むしろ湿度の低さが大きな要因です。
北海道では、気温が30度を超えますと湿度が50%を下回るようになりますが、そもそも気温が湿気を抱える「器」なのですから、気温が上がれば器が大きくなって湿気の割合が小さくなり湿度が低くなるのです。したがって北海道は、温湿度がセオリー通りに推移しているのです。
【異常気候の本州の夏】
本州では気温33度、湿度80%などの温湿度は珍しくありません。気温が上がったら湿度が下がるはずですので本州の夏場の温湿度は異常だと言えます。
日本列島の存在する位置が、中国大陸の気象影響を受けた偏西風がもたらす特殊な気候だと言う説があります。その結果、梅雨前線の北端が津軽海峡となっており、北海道には梅雨がないのだと解説されています。
このような特殊な気候の日本列島の本州に住む人々は、毎年のように真夏の蒸し暑さに閉口していますが、特に昨今の温暖化現象で不快指数も常に高い数値をキープしています。
気温30度で湿度80の時その湿気の持つ熱を潜熱(寒暖計に表示されない熱)と言います。私達が普段、熱と思っている熱いと感じる熱を顕熱(寒暖計に表示される熱)と言います。この80%の潜熱を顕熱に変換すれば、気温と同じ30度を超える熱となります。
つまり30度、80%は、気温60度に相当する熱(これをエンタルピーと言う)の中に暮らしている事になります。
【暑さ対策の基本】
<その1(気温を上げない)>
【断熱材の補充を】
夏を涼しく過す為には、この気温(顕熱)湿度(潜熱)を下げてあげる事で解決出来ます。
気温を上げないようにするためには、様々な工夫が出来ます。
【天井裏の気温と断熱材】
先ず、ちゃんとした断熱材が天井裏に充填されているか確認してください。
真夏の屋根材の温度は日射熱をまともに受けて100度近くまで上昇します。
その屋根材の温度の影響で夏場の天井裏の気温は70度をゆうに越えている場合が殆どです。ところが、日本の断熱基準は寒冷地の暖房省エネを目的に制定されているため、温暖地ほど断熱材が薄くなっています。
70度もの気温になる天井裏の気温を遮る断熱材がグラスウール50ミリ程度のものが多く存在します。断熱材が薄いために、高温の熱が天井面から輻射熱で室内の仕上げ材、構造材に蓄熱されてしまいます。
構造部材を冷やすには、空気を冷やすための900倍ものエネルギーを必要とするため、快適気温まで下げるには膨大なエネルギーを必要とします。
最寄りの工務店に依頼して、天井裏の断熱材を厚くする工事をすべきでしょう。
最も安価なグラスウールで、断熱材の両面、或るいは、片側にも何も引っ付いていない裸のグラスウール断熱材が最適です。200ミリ以上の厚さを重ねると良いでしょう。
グラスウールの価格は、断熱材で最も安価なので、あとは施工費だけとなります。
二人の職人で、ほぼ一日以内の仕事で終了すると思われます。
【遮熱材の敷設を】
グラスウールを厚くすると同時に、そのグラスウールの上部に透湿性のシートを敷くか、間隔をあけて、遮熱材(ボード状かプレート状)を敷設するともっと効果的です。
昨今では湿気を通過させる透湿シートに遮熱機能を持たせたものもありますが、これはグラスウールの上に被せても構いません。
ファース本部の推奨品にも、ダンボールにアルミ箔を張った遮熱材(商品名・FOボード)があります。これは湿気を透湿させないので施工の際の注意事項があります。
いずれも、それほどの施工工事費となりませんし、この施工で毎年の冷房費用が半減されるだけでなく、クオリティの高い冷房空間をつくる事が可能となります。
【日射熱の浸入を防ぐには】
西日などで室内気温が上昇しないように、スダレなどで日陰をつくると良いでしょう。
カーテンやブラインドなどでもある程度の効果はありますが、既に開口部から熱が室内に入っており、その部材面から輻射熱で室温を温めます。
出来れば外部で遮熱する方が、はるかに効果が高いことが確認されています。
遮熱ルーバーなどと言う商品や遮熱グッズも多く発売されております。この遮熱ルーバーの取り付けで冷房費用が40%も削減できたと言う実績もあります。まめに出し入れが出来るのであれば、ホームセンターで安価で売っている、スダレでも大きな効果が望めます。
<その2(湿度を上げない)>
【エアコンのドライモードを】
北海道の夏のように爽やかに過すためには、湿度を上げないようにすべきです。
潜熱除去と言う理屈はエアコンの除湿モードが解り易いと思われます。
潜熱、顕熱云々と言うと難しそうですが、室内の湿気を取ってあげれば、人間の身体から水蒸気が蒸発し易くなります。人間の身体は70%もが水で出来ており、乾燥させるとその水分が蒸発し、蒸発気化熱で身体の温度が自然に下げられる作用を起こします。
気温を下げて冷たい空気を身体に当てるのではなく、身体からの蒸発を促し体温を下げた方がはるかに質の異なる快適で省エネ冷房を行う事が出来ます。家の隙間を出来るだけ塞ぎ込み、換気量を必要最小限に抑え、エアコンをドライモードで稼動させます。外部の湿度がとても高くなりますので、換気量を抑制する必要があります。
【除湿機での湿度低下には無理がある】
夏場の結露を防ぐためには除湿機がとても有効です。
しかし、湿気を取るために同じだけの熱を放出しているので、熱全体では結果的にプラス・マイナスがゼロとなり、快適性や省エネを促す事になりません。
やはり、外部に直接熱を放り出す、エアコンの有効活用が必須となります。
【湿気を出さない生活の工夫を】
上記のように、夏場を省エネでしかも快適に過すためには、気温を上げない工夫と湿度を上昇させない生活の工夫が必要です。
観賞魚などの水槽を室内に置く場合、その水蒸気が室内に拡散しないよう、専用換気扇で排気させ、また浴室や水周りに溜め置きの水溜りをつくらない工夫が必要です。
また室内で洗濯物を乾燥させる行為も、室内湿度を上昇させてしまいます。
断熱・遮熱・湿度管理を
既存の家を、上記のような方法で改善したり、リフォームを行なう事は充分に可能です。
どうぞリフォームも、最寄のファース加盟工務店と相談してください。
【ファースの家を参考に】
「ファースの家」は最初からこのような機能を搭載し建築しております。
また、ファース加盟工務店では、このような勉強を行なっておりますので最寄りのファース加盟工務店にご用命ください。
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