高性能・健康住宅「ファースの家」開発本部株式会社福地建装

住宅業界最新情報

2014.10.01

太陽光発電の売買制度に限界が

【先般、九州電力が電力買い取りの中断を発表しました】
 九州電力は、太陽光発電など、いわゆる再生可能エネルギーの売電を希望する一部の地域に限り、九電の配電設備との接続を中断すると発表しました。

 九州電力は、幾つかの対象地域で、新規受付を中断する場合も在り得るとしています。
九州電力の公表では、「10kw以上」の本線接続をしない、つまり10wを超えるユーザーからの売電に対し、買電しないことを意味します。

 この九州電力の発表の後を追うように北海道電力、東北電力、四国電力も同様に、売電の中断を発表しております。新規受付の中断対象には、「家庭用低圧連系を含む」とされており、従前のような太陽光発電売買制度が大きな過渡期に入ったとものと思われます。

【再生可能エネルギーの買い取りメカニズム】
 日本の電力クオリティーは、西日本60ヘルツ、東日本50ヘルツに正確に制御する必要があります。電力会社は、ランダムに送られてくる太陽光や風力で発電された電力を、コンピューターなどの精密機械にも影響を与えないよう、高いクオリティーに保持するための変電装備を備えております。

特に日本国内で送電されている電気クオリティーは、先進諸国でもトップクラスと評価されてきました。
そのような高いクオリティーの制御キャパシティには、当然ながら限界があるのです。

【電力買い取りキャパシティと対応】
 太陽光発電や風力発電を電力変換と制御できるキャパシティは、電力会社の現況、地域や時間帯などでも異なりますが、およそ総発電量の10%前後と言います。
 この電力制御キャパシティを超えないようにするため、買い取り制限などが行われることになります。現況の再生可能エネルギーの普及状態や送電環境を思考すると、今回の九州電力の対応策は、九州にとどまらず全国的な傾向になると見るべきでしょう。

【売るための発電から自己使用の発電に】
 民間企業である各電力会社の経営環境などを検証すると、買い取り累積数が多くなることで設備に限界が生じ、増設するには膨大な費用が掛かります。
今後は売るための発電でなく、自分の使用する電力を発電する方法に意識転換する時期に入ったように思われます。
例えば4kwが適正容量の場合、日照不足で発電が1kwしか発電しなかった場合は、不足分の3kw分を電力会社から供給されます。日射量が多く、5kwの発電をした場合は1kwを買い取って戴きます。つまり、正確な計算で割り出した必要電力量が4kwだった場合は、太陽光発電の容量を、それ以上でもなく、それ以下でもないことが重要です。

【設置できる経済力を持った人の太陽光発電は】
 現在の太陽光発電装置を付けた人だけが得する制度で、得した人の負担は、アパートなどの住人など、太陽光発電と無縁の人々の負担になっていることも実情です。
今後は、自分の使用する量の発電を行うことに徹することで、恒常的に安定した電力供給を受けられる仕組みづくりが必要となりそうです。